大怪我
大怪我をした東大生の手記を読んだ。
彼は学内ではちょっとした有名人であった。
私は直接会ったことはないが、彼が運営するメディアを通じて一方的に彼のことを知っていた。(あと、一回駒場キャンパスで見かけたことがあったような気がする)
社交的でエネルギッシュ。私はそういった印象を抱いていた。
その彼が、昨年末に自転車事故を起こし、意識不明になった。
意識が戻った後も一時ひらがなも認識できないような状態だったそうだ。
直接会ったことはないが、私はなんとなく彼に「イイヤツ」という印象を持っていた。それは今でも変わらない。
ただ、事故や災害が、人の性格や日頃の行いに関わらず生じうるという事実に改めて愕然とするのみである。
なんとなく、我々はみんな「日頃の行いが良ければいいほうに向かっていくし、悪人には天罰が下る」と思いたいものだ。
しかし、どうも現実はそうではない。ただ機械的な法則に従って事象が生じる。生じた事象は、「ハッピー」「どうでもいい」「最悪」など人間によって様々に解釈される。
世の中には不条理が満ちている。
ただ、だからといって引きこもっていてもそれはそれはあれなので、もう諦めて行動していくしかない。大きな不幸を最大限避けながら、それでも避けきれないときはもう諦めて諦めるしかない。
東大生にとって言葉を初めとする、記号を操作する能力を奪われるのはとてもショックなことだったろうと想像する。
救いは、彼が記事を書いたり、色々な仕事をしたりできるまでに回復してきていることだ。
早く完全回復して、面白いものをどんどん作っていってほしいものである。