東大卒無職が働かずに生きるブログ

東大卒が感じた社会の厳しさを綴るブログです。開発したサービス(フリマルっていいます)の話もちょくちょく

社会は裏切りに満ちているって話

どうも、せり沢です。
今日は現状報告も兼ねて少し私のバイト先について書いていきます。

 

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私がITベンチャーインターンを始めてだいたい3か月が過ぎた。

 

実質的に創立1年も経っていないできたてホヤホヤの会社である。

仕組みが全く整備されておらず、まさにカオスといった状況だ。

 

例えば休み時間一つとっても、決められた時間というものがなく、いつでも好きな時に休憩してよい

もちろん外に散歩しにいっても良いし、軽く買い物に行っても全く問題ない。

加えて休憩時間は自己申告なので、皆絶対サバ読んで休憩時間を申告している。

 

仕事の流れもまったく定まっていない。

とりあえず、皆ノリと思い付きで仕事をしている

 

案件に関連しそうなツールをネットからなんとなく探してきて、それに多少手を加え、「こうすればいけますよ!」と社長に報告してみる。

すると社長は、クイズミリオネアで、みのもんたがファイナルアンサーを受けた時のような真顔のまましばらく考え込む。

この時の「間」は多少辛いものがあるが、基本的に心配する必要はない。

検討しているような空気を出している社長は、実は深い部分を理解していないので、提案はだいたい承認されることとなる

 

人事もまたカオスだ。

まず、社長以外のメンバーは、ほぼ全員学生バイトである。

私のようなフリーターや、契約社員も若干いるものの、
圧倒的多数が大学生で構成されている。

(よく言えば)大学のサークルみたいな空気が流れている。

 

この職場はカメムシの糞よりも「ルール」や「規則」が嫌いな私にとってはある意味快適だといえる。

 

銀行時代は、飲み会でビールを注いで回らされたり、不潔感の塊みたいなおっさんにペコペコさせられて社内のクソルールに関する耳クソみたいな説教を延々と聞かされてそれはもう不快だったが、そういう嫌さはここにはない。

 

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その他、社長の周りには怪しげな男たちがうようよしている。

 

一度だけ飲み会があったのだが、
どこぞのベンチャーキャピタルのメンバー(自称)や、
投資家(自称)を初めとする、よくわからん男たちが外部から集まっていた。

 

会社の顧問という肩書を持つ彼らは、たまに会社に来ては社長と毒にも薬にもならない雑談をして、満足そうに帰っていく。

 

私も、時々彼らとのミーティングをさせられるが、その無意味さには舌を巻く。

 

ミーティングとは形ばかりである。

ミーティングによって決まるのは次回のミーティングの日程だけなのだ

私としては雑談してるだけで金がもらえるので非常にありがたいが。

 

ただ、怪しいおじさん達もそれはそれで太い人生を生きている感じがでていて、

 

「あなたの会社を絶対上場させます!!」

 

と社長に言い放ったベンチャーキャピタルおじさんの熱意は並々ならぬものがあった。

(まあ胡散臭いといえば胡散臭いのだが、、)

 

また、このベンチャーキャピタルおじさんと社長は昼間から飲みにいったりしており、
中々楽しそうであった。

退職してから遊び友達がめっきり減ってしまった私にとってはほんのり羨ましいものがある(かもしれない)。

 

銀行時代のルールにがんじがらめの職場を知る私にとっては、こういう生き方もありかもなあ、と最近感じるようになった。

 

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一方で困るのは仕事の引継ぎである。

何せ、学生バイトしかいないのだ。

 

ここはとにかく誰も仕事を教えてくれない。

 

そもそも作業内容を把握している人間と出勤が重なること自体稀なのだ。

 

一度どうしていいかわからなくなると一日何もできずに終わることも普通にある

 

今でこそ、

 

・とにかく何か頑張った感じで日報を書くコツ

・最悪何もできなくても心を無にして過ごす

 

という処世術を覚えてきたが、初めはとても辛かった。

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辛いのは皆同じようで、
事務の人(正社員として転職してきた)は3日目からこなくなったし、
かつて初日で辞めた人もいたらしい。

 

また、私に本来仕事を教えてくれるはずだったインターンの人は社長と喧嘩してそのまま退職してしまった。

 

「これも今日やっといて」

「いや無理っす。というか僕の中でこれを今日やる意味がよくわかってなくて」

「いやもういいからやって」

「社長の考えてることが僕にはちょっとよく理解できてないですね。」

「いや今この言い合いしてる時間でこれできるよね」

 

といったやりとりがよく起こるようになり、

 

「最近こいつらめっちゃバトってんな」

 

と皆が感じ始めたある日、彼は退職した。

 

その日もいつものように喧嘩が発生し、彼はそのまま荷物をまとめて帰宅した。

 

それ以来彼の姿は見ていない。

 

……私と同じく18卒退職組だった彼だが、今どうしているのだろうか。

 

しばらくシフトに残り続けた彼の名前。

 

どこか哀愁を感じたのを覚えている。

 

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私には幸いなことにサポートしてくれる先輩がいた。

彼は某私大の院生で、この会社ではかなりの古株だった。

古株と言っても、入社半年かそこらなのだが、何せ入れ替わりが激しいのでそれでも十分に古参なのだ。

 

社長からの信頼も厚く、プログラミングの他にバイトの面接を担当したり、全体のマネージメントも時々行っていた。

 

ミーティングでも、

 

「社長は今、会社全体に目を配れるような状況じゃない。
 だからとりあえず、自分たちで出来ることを探して楽しんでやっていこう^^」

 

こういうことをさらっと爽やかに言ってのける人物である。

そしてそれがサマになっている。

 

プログラミングスキルも相当高かった。

 

また、彼はいつも音楽(EDM的な)をかけながら仕事をしていたので、自由な空気を会社にもたらしてくれているなあ、と私は思っていた。

 

「あ、仕事中音楽聴いててええんや」的な。

 

他にも、先述のベンチャーキャピタルおじさんがベンチャーキャピタルの人であると教えてくれたのも彼だし、
私と雑談して帰ってく謎のおじさんが普段はどこで働いてるとか、そういう情報をたくさんくれたのも彼であった。

 

彼には感謝してもしきれない。

 

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そして彼が退職したことを知ったのが昨日である。

 

例のベンチャーキャピタルおじさんに引き抜かれてしまったらしい。

 

最近あんま来てないな~~とは思っていたが、まさかそんなことが起きていたとは。

 

たまげたなあ。

 

ベンチャーキャピタルおじさんが、社長に

 

「あなたの会社を絶対上場させます!!!」

 

と熱く語っていたあの飲み会。

 

あの飲み会から二か月後、彼は会社で一番重要な人材と共に社長のもとから消えていった。

 

もう影も形もない。

 

また、その引き抜かれた先輩は会社内で色々な案件に関わっていたのだが、
それらをすべて放り出して行ってしまった(私も若干被害を被っている)。


社長に対しては、イラッとすることが多い私だが、今回はさすがに少し同情した。

 

社会こわっ。

 

てか人間ってこわいね!

 

 


(終わり)

※特定防止のため、多少フィクションまぜてます